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第2回
第2回 2005年6月10日
日本初演=
1952年11月6日ー11日 日劇 小牧バレエ団
当時、英国のフェスティバル・バレエのプリマだったソニア・アロワをゲストに迎えて行われました。
だいぶん前でしたが、或る新聞に、[眠り…] の初演の日時、バレエ団の名前が違って書いてあり、驚きましたが、ややあって訂正の記事が出てほっとしました。
50年以上の前のことだから、若い舞踊批評家の方々が思い違いをされることも仕方がないかなーとも思いますが、小牧正英先生と小牧バレエの業績も忘れないで下さいね。
ソニア・アロワさん=
マネージャーのジョン・キーツ小父さんを従えてミンクのコートを着て羽田に降り立ったアロワさんは、とてもチャーミングな女性でした。
私は恐れ多いことに、お二人と仲良しになり、数年後、パリに留学したときは、とてもお世話になりました。
アロワさんのママは、黒龍と云うクリームが「しわがのびてツルツルになるの」と大のお気に入り。(アロワさんが日本みやげにママに持って帰った)
私は日本からたくさん送ってもらい、ママに捧げました。
眠りの森の美女
プロローグ=
小牧先生がカラッボス。
私はねずみです。黒いドレスに銀のかつらをかぶって、蜘蛛の巣の形の車に乗った先生をひっぱって登場。先生の周りで踊ったり、宮殿の柱をかじったり、大暴れしました。
第一幕=
私は村の青年。なんと男役!!! これには少しわけがあります。
「僕がいたロシヤ・バレエ団では男の子と女の子が花輪を持って踊るんだよ」と小牧先生がおっしゃったとき、「宝塚だって女の子が男になっているのだから、うちでもやってみたら…」と云ったのは私。
いっしょに男役にされてしまった小川亜矢子さんは「あんたがよけいなこと云うから!」とおおむくれ。
当時、小牧バレエには男性ダンサーはたくさんいたのですが、眠り…となると、花のワルツまでは手がまわりませんでした。
でも私はそのとき、男性舞踊手がいかにたいへんか分かりました。
プロローグがおわって、次ぎの衣装を着てほっと一息していると、パートナーのドド子さんが「アティテュードのプロムナードやってよ」と顔を出します。やすむひまがないのです。休憩時間の間中、ああでもない、こうでもないーとドド子さんにつきあわされ、「勝手にしてよ!」とついにすごんでしまうありさま。あわれなドド子さんはオロオロ……
第二幕=
人の王子は、関直人
横井茂
鈴木武 岸紀元
カラボッスから早変わりで小牧先生がデジレ王子
私は男爵夫人、男爵は横井茂
第三幕=アロワさんと小牧先生のパ・ド・ドゥは本当にすばらしく、いつも先生の悪口でストレスを解消している悪い子の私たちもいっぱい反省。
プロデュース、振付、レッスン、主役、ゲストの接待、その他いろいろ…
初日の夜、日劇の楽屋入口の椅子にぐったり座って[疲れた!] とぼやいていた先生のことを、昨日のことのように思い出します。
いつも相手役は自分の教え子。アロワさんというプロのダンサーと同格で踊ることができた先生は幸せそうでした。
戦争がなかったら、先生はハルピンのロシヤ・バレエ団でずっと踊っていらしたかもしれませんね。
昔とバレエ
今でこそ[バレエ] と云っても、どこでも通用しますが、昔はなかなかわかってもらえませんでした。団体で汽車に乗っていると、よくきかれました。
[何の団体ですか] [バレエです] [ああ、試合ですか]
アロワさんとキーツ小父さんさんといっしょのとき、[キリスト教の団体ですか] ときかれたこともあります。
橋浦勇さんに聞いた面白い話… ひとりで汽車に乗っていたとき、となりに若いかわいい男の子が座りました。話が弾みました。[僕、板前修行中。お兄さんは?] と聞かれ橋浦さんは、白鳥の湖の王子姿の写真をずいーっとみせました。
[ああ、お兄さんサーカス!!!]
橋浦さんのぼやくこと、ぼやくこと…
話がだいぶん逸れてしまいました。
アロワさんは数年後、再びゲストとして来日。新婚早々で、ハンサムなだんなさまジョブ・サンダースさんを伴われ、オーロラ姫を踊られました。もちろん、デジレ王子はサンダースさんです。
そのときは、私も少し偉くなって[青い鳥] のパ・ド・ドゥを踊りました。
有楽町の日劇も今はありませんね。小牧バレエの想い出がいっぱいつまっていた日劇。
ガード下にあったミルクワンタン屋さん、ご存じの方はいらっしゃいますか。
小牧先生ごひいきのお店でした。
次ぎはマーゴ・フォンテンさんを迎えての[眠りの森の美女] のお話をしましょうか。
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