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ニュース・コラム

幕あいラウンジ バックナンバー

藤井 修治
 
Vol.22 「21世紀になりました」  
2001年 1月15日
 21世紀まで生き延びました!ジャーン!ところが海外では多くの国で一年前に2000年になった時に21世紀になったとお祝いしてしまったところが多いそうです。しかしキリスト生誕の年が西暦1年とするとやはりことしが21世紀の始まりというほうが正しいでしょう。
 ところでキリスト教徒でない人も無宗教の人も西暦で生きているのは不思議な気もします。日本では平成13年が2001年で、年号と西暦をケース・バイ・ケースで使い分けています。面 倒くさいとも思いますが、頭の体操になっているのかも知れません。
 21世紀になった機会に、2000年の歴史を少しは勉強してみたり、20世紀の100年をふり返って見るのもいいでしょう。同じ時代の日本と海外の文明や文化と比較して見るのも興味のあることです。NHKテレビでの紀元前の4大文明の番組もけっこう楽しくて勉強にもなりました。さらに星を見て遠々何億年前の光がいまここにとどくという途方もなく遠い昔にも思いを馳せるのもいいでしょう。ニセの発掘品で日本の歴史をかえようとする考古学は困りますが、過去が次第に明るみに出る時代に実証と想像を交錯させながら昔のことを考えるのは大切なことだと思っています。
 それに対して、未来のことは一寸先は闇です。この年になると、朝目がさめるとああ生きててよかったと思うのです。30歳ごろのことでしたか、夜の新宿で手相を見てもらったことがあります。その時、「あなたは23歳で結婚する。しなかったら27歳で結婚する」といわれました。暗かったから若く見えたんでしょうか?それ以来占いは信じてません。でも10年ほど前に、一人の友人が僕の手をとって「あなたは4年半たったら死にます」といいました。その時は笑っていましたが、やはり少々不愉快でした。しかしまだ元気で21世紀を迎えることができたので嬉しく思っています。将来のことは解りませんが、不必要な心配しないでプラス思考で生きていくつもりです。
 ところが、21世紀には未来が相当はっきりと見えてくるはずです。たとえば近年、天気予報が飛躍的に正確になってきています。21世紀には、きちんと歴史を振り返りながら前後左右を見つめ、時間空間を支配する秩序とか法則を見破って身につけることで、未来を見とおすことができるような気もします。
 僕たちはいつも昨日何を食べたとか、明日誰と会うとか、時間的には近未来や近過去しか考えません。もっと遠い過去や遙かな未来を見ると面 白いはず。空間的には宇宙を巨視的に眺めたり、肉眼では見えない顕微鏡下の世界を微視的に覗くのも必要です。これは何も学校で押しつけられて習うのではなく、教育テレビなどで解りやすく教えてくれるのを利用してもいいでしょう。広大な宇宙から人間のDNAの解明等々で、地球の未来も個人の将来も見えてくるかも。21世紀には僕たちが見る世界は驚異的に広がると確信しています。
 話が大きくなってしまいましたが、劇場でバレエなどを見る場合でも、ただただキレイネーと感心するだけでなく、開幕前や休憩時間にプログラムの作品解説などをちょっとでも見ておくとすごく得をします。そして心してバレエを見つづければ知らず知らずのうちにバレエの歴史だけでなく、作られた時代の社会や思想も見えてきます。そうしたら、バレエをより深く理解し、楽しめるようになります。つい先日、大阪の松竹座での正月歌舞伎を見ました。おなじみの「勧進帳」のほかの二つは珍しい演目でしたが、イヤホンガイドを借りたおかげですっかり楽しみました。片耳で生音声、片耳で解説を聞いたおかげで収穫は大きかったのです。
 前にも同じようなことを書いたようですが、日ごろ痛感していることなので、新春にもう一度言わせていただきました。



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