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幕あいラウンジ バックナンバー

うらわまこと
 
Vol.26 「頑張る地域別バレエ
  洋舞組織ー厳しい状況に対応してー」
2001年3月14日
 

 社団法人日本バレエ協会は、バレエの指導者、ダンサーの個人参加の全国的な団体で、合同公演やコンクール、優れたダンサーや功労者の表彰、さらに若手の育成などを行っています。東京の本部のほか、北海道から沖縄まで13の支部をもち、各支部が一堂に会して2日間にわたって競演する『全国合同バレエの夕』は、最近は8月に新国立芸術劇場で行われています。支部単位 でもいろいろと催しが行われてます。最近では関西、北海道が支部公演を行いました。現代舞踊協会も同じような組織です。
 さらに県単位の下部組織もあります。とくに6つの県からなっている関東支部ではすべての県が組織を作り活動をしています。ただしその呼び名は2種類あります。歴史の古い神奈川と埼玉 はブロック、その他は地区と呼ばれています。地区では千葉、栃木は比較的長い活動の歴史をもち、茨城、群馬は発展途上といえるでしょう。
 昨年12月末からこの4月の初めまで、このような地域単位の団体の公演が続いています。12月下旬には神奈川ブロック、2月上旬には栃木地区、そして3月初めには茨城地区、4月早々に千葉地区です。宇都宮市で行われた栃木地区の「バレエ・コンサート」は元関東支部長の橋本陽子が、そして「ミレニアム・バレエ・イリュージョン」と銘打ってひたちなか市で開いた茨城地区は現支部長の田中元子が中心になって進めています。来年20周年を迎える栃木々は、会員ごとの小品と合同出演作品という形で定着しています。これまでオーディション形式の小公演だけで、合同公演は今回が初めての茨城は、4作すべて合同出演という厳しい条件で大変だったと思いますが、なかなかの意欲が見えました。また、千葉地区が第15回の合同公演を市川市で開きますが、これも会員ごとの作品と合同出演の作品というパターンです。
 参考までに記しますと、昨年は9月、今年は11月が予定されている埼玉ブロックは、時々労音などと組んで古典大作をやっていますが、基本的には千葉や栃木と同じパターン、それに対して優れたダンサーが多い神奈川ブロックでは、最近はほとんど12月実施ですから「くるみ割り人形」を主体に、合同で古典大作を上演しています。
 バレエ協会の下部組織ではなく、バレエ、モダンダンスを問わずに地域ごとに独自に洋舞の団体を結成しているところもあちこちにあります。神奈川県芸術舞踊協会は1月に「芸術舞踊展」として團伊玖磨の音楽による作品を発表、埼玉 舞踊協会は3月に「バレエ・モダンダンス・コンサート」など、3回にわたって合同公演を開いています。東京では区単位 の洋舞連盟がいくつもあり、2~3月には、杉並、練馬が公演を行っています。2月には松戸芸術舞踊協会もオーディション合格者の披露を含むチャリティーコンサートを開きました。また、多摩地区のバレエ関係者によるバレエ連盟TAMAは2月に第9回公演を終え、3月末には世田谷クラシックバレエ連盟が第6回目の公演を行います。
 1~3月の首都圏および近隣だけを取り上げてもここに述べたような活動が行われています。この時期には、中部、東北でも現代舞踊関係の合同公演が行われていますし、全国、そして年間には、きわめて多くの地区単位 の団体がさまざまな活動を行っているはずです。
 わが国には全国に多数の舞踊団体や学校、スタジオがあります。経済不況、少子化など厳しい環境のなか、このような共同組織による活動は、公演機会の確保、舞踊家や指導者の育成、そして観客の掘り起こしなどに大きな効果 があります。組織を運営するのはなかなか大変なことですが、ぜひ頑張って欲しいと思います。




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