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ニュース・コラム

山田マミのやっぱり、パリが好き

山田マミのやっぱり、パリが好き

フランス・パリ在住の山田マミさんが、現地発信の最新ダンス情報をタイムリーにリポート!
ダンスだけでなく、ワイン、フェスティバル、市場などなど、パリっ子たちの日常生活も、
山田マミさんによる独自の視点でお伝えします。動画によるダンス映像の配信も見所です!

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5月1日 今日はメーデー、労働者の日。

日本の皆様は普通に働いていると思いますが、フランスは今日は祝日で、ほとんどのお店も美術館も休みです。働く代わりにデモに参加して労働者の権利を訴える日なのです。とはいえ、家で寝ている人も多いと思いますが・・・

今年はパリではなく、クレルモン・フェランのデモに参加してみました。集合場所に行ってみたら、服に組合のシールをいくつも貼って旗を持って意気込んでいる人がいました。

大統領選挙前とあって、サルコジかオランドか?という雰囲気の中、反サルコジのポスターが目立ちます。

失業率が高まる中、

すべてはサルコジ大統領のせいだと言わんばかりの、「サルコジを引きずり落とせ!」の垂れ幕が乱立。ここ、クレルモン・フェランは左派の街だったのだ。ほっ。だから私は少し大きな顔をして歩ける。

お天気も良かったこともあって、かなりの人が出ましたが、こちらのデモってお散歩気分でのんびりしています。警官に挟まれて練り歩くというのではないですね。

「勝利の広場」で集合して「自由の広場」で終わるデモ。フランスらしい。

とまあ私は地方都市でのんびりとデモに参加したのですが、パリは熱かったみたいですね。テレビでみてびっくり。

極右の国民戦線フォン・ナシオナルは例年通りオペラ座前での集会。
その前に、ピラミッド広場つまりルーブル美術館とテュイルリー庭園の間にあるジャンヌ・ダルク像の前で気勢を上げるのが恒例。

これがマリーヌ・ル・ペン、極右政党フォン・ナシオナルの党首であります。

オペラ座前にこれだけの人が集まっています。ここには外国人は近寄らないほうが良いですね・・・。

一方、サルコジ大統領はトロカデロのシャイヨー広場を占領。

エッフェル塔をバックにこれだけの人に国旗を振られちゃったら参ってしまう。

さて、5日後に迫った最終投票の結果はいかに!サルコジ続投か、オランドの社会党が勝つか?
サルコジ現大統領のポスター、下のほうには5月1日にトロカデロ広場で集会をしますとの宣伝ポスターが貼ってありますが、いろいろ書かれていますね。サルコジのスローガンでもある「強いフランスLA FRANCE FORTE」は、FとNを消して「ひどい人種差別」になっていて、その下には「憎しみ」の文字も。 そして目立つのが広いおでこに貼られた反サルコジのシール。

5月3日 パリで一番おいしいフランスパン

フランスパンのことをバゲットと言いますが、今年のバゲットコンクールの優勝者が発表されました。セバスチャン・モーヴューさん37歳。

18区のアベス近くのパン屋さんです。昨年も一昨年もこの地区のパン屋さんが優勝、モンマルトルはパリで一番おいしいバゲット屋さんが3つもあることになります。このコンクールで優勝すると4000ユーロの賞金と、1年間大統領官邸御用達のパン屋さんになるのです。
住所は、159 rue Ordener 75018 Paris

これがコンクールの様子です。外はパリパリ、中はモチモチが良いらしい。

5月5日 パリのお散歩 ポンピドー・センター

今日はこどもの日だぞ!と、うきうきするのは私だけ。フランスではそんなことなど知ったぁこっちゃぁありゃしない。まあ天気が良いから散歩に出てみよう、というわけでポンピドー・センターに行ったら、大道芸であふれていました。

シャボン玉がこんなに膨らむ!

今日の金の像は良く動くなあ。

パリでお小遣い稼ぎに皆さんもどうぞ!お知らせいただければ取材に参りますよ~!

先ほどからピヨピヨとうるさいのは、小鳥の口笛を売っているおじさんの仕業でした。

よくいる怪しい手品師

わ!こんな芸もあるんですね。ダンサーならできるかも!「芸は身を助く」

さてさて、ポンピドー・センターの中です。

ポンピドー・センターの最上階からの景色に見とれていたら、あら〜、この男性、眼鏡ケースを口に突っ込んでる?!こっちのほうが気になってしまった。

こんな屋外庭園があるんですね。今まで気がつかなかった。美術鑑賞も良いけれど、一息つくのも悪くない。

5月6日 ヒャー!バイクが黒こげ

家の近くを歩いていたら、あらら、駐輪場に止めてあったバイクが見事に黒こげ。つい最近燃やされたみたいで、オイルの焦げた匂いがしていました。この地域は治安の良いところなのですが、大統領選の憂さ晴らしか、近くの移動遊園地での憂さ晴らしか?

5月6日 大統領選、これは単なるアンチサルコジだった?

ミッテラン大統領以来の社会党悲願の勝利、オランドが大統領に選出されました。夜8時きっかりにオランドが選出されたと公式発表された瞬間に、家の周りで歓声が上がりました。外に出て見ると、あちこちでクラクションが鳴っています。渋滞してもクラクション、嬉しいときもクラクション。騒々しい街です。

よく見たら清掃車が鳴らしてるじゃん!他の車も黒人が鳴らしていることが多い。カフェで歓声を上げているのが黒人とアラブ人。金持ち階級でない人達の歓声です。
オランド51.9%、サルコジ現大統領48.9%、投票率80.2%という感心の高さ。今までの常識では、右派は右党のサルコジに、左派は社会党のオランドに投票するのですが、極右の国民戦線フォン・ナショナル党首のマリーヌ・ル・ペンが白紙投票を呼びかけ、中道派のフランソワ・バイユ党首はオランドに投票。つまり今回は左派右派ということではなく、サルコジ大統領の続投を望まない声が高かったと言うことみたいですね。
敗北が決定したサルコジ元大統領の演説を聴きました。オランド新大統領に電話で「まあ、がんばってください」と言ったと言っていましたが、この言い方の嫌みなこと。誰のせいでフランスの政治が歪んでしまったのだろうか!と私は憤りました。

決選投票直前の5月3日に、サルコジ現大統領とオランド大統領候補の対談がテレビで実況中継されました。サルコジ現大統領は「貧乏人を少なくすることが目的だ」と言ったけれど、「もっと働いてもっと稼ごう」のスローガンが「もっと働いたのにもっと貧乏になった」と感じている人がどれだけ増えたことか。貧富の差がさらに広がった現実をサルコジ現大統領は全くわかっていないのではないかと思いました。
上の写真は、その対談の翌日の新聞。後から聞けば、サルコジ大統領は原発に関して、日本に行ってもいないのに「行った」などと口からでまかせが出たらしい。嘘はいけませんよ、嘘つきは泥棒のもとですから。

エイズ撲滅運動の広告に使われた二人。

サルコジ元大統領は、敗北宣言をコンコルド広場で、オランド新大統領はバスティーユ広場で勝利宣言。各政党で集会をする場所が決まっているのですね。
私も嬉しくってバスティーユ広場に行ってみましたら、このありさま。

やっとたどり着いたバスティーユ広場の入り口。シャンペンで乾杯している人がいますね。私も家に帰ったらシャンペンを開けよう!
広場の中に入ることは不可能というか超危険。人が多すぎて押しつぶされそうだった。外人ってやっぱりでかいしごっついわぁ。

私が行ったのが夜9時40分、オランド新大統領は夜10時半に到着する予定でしたが、結局到着したのが真夜中過ぎ。さすがフランス人、時間にルーズ。それでも多くの人が広場にいたそうです。私は、そこまでは待てないし、メトロもなくなるし、押しつぶされそうで怖いので、さっさと帰りました。
この後コンサートが開かれて、お祭り騒ぎ。機動隊もいっぱい!

5月7日 パリのお散歩 サン・シュルピス教会

そういえば、ダヴィンチコードで一躍有名になって迷惑していると言っていたサン・シュルピス教会に入ったことがなかったな。というわけで、写真をパチリ。

このゴシック建築が醜いとさえ言われた当時。エレガントではないけれど、威風堂々ですよ。

みんなが平気な顔をして歩いているこの床の木の扉の下に、死体があるんですよね・・・。教会の床下は聖人のお墓と聞いていますが・・・

ちょっと静かに内部見学です。

ジャンヌ・ダルクを祭ってあるんですね。

「キリストの御身を包んだ羊の皮」に、ぼーっと御顔が浮き出ているのが展示されていたり、文化的に貴重なものが展示されていて、ダヴィンチコードをたどるのではなく、ゆっくりと訪れることをお勧めします。

ちょっと感動して外を歩いていたら、銅像の上に鳩が。鳩にとっては偉人も聖人も関係ありゃせん。

5月8日 PUB!

フランス語では広告のことをPUBLICITE/ピュブリシテと言い、会話の中ではPUB/ピュブと言います。

ゴルチェがコカコーラのポスターに!
このところあちこちで見かけるゴルチェさん。コカコーラのポスターに登場で、ゴルチェ自身がおとぼけ顔で写ってます。

ところで、地下鉄の駅でこれまた不思議なポスターを発見。

これは「B」の字だけ。他にA とU を見ました。この文字の下にホームページのアドレスがあったので家に見てみたら、AUBE県の宣伝でした。ということは、Eの文字のポスターもあるということですな。ここの観光協会、なかなかお洒落。トロワイエの大きなショッピングセンターがあるところです。
http://www.soyezsurpris.fr/
パリからさほど遠くないので、都会生活に疲れたら気分転換に行ってみるのも良いかも。

笑ってしまった求人広告。
寿司職人-魚を切れる方・・・・・。魚は「さばく」というのではないでしょうか?魚を切れれば誰でも寿司職人になれるのか?魚をさばけもしない偽寿司職人がたくさんいるということでしょうか?フランスの日本食店はこんなレベルなのかもしれません。

山田マミ プロフィール

幼少よりダンスを始め、80年代はアメリカに没頭するが、今は亡きダンス・ア・エックスでローザスの「オットーネ・オットーネ」を観て、ヨーロッパの歴史の深さに圧倒され、フランスに移住。しかし、言葉の壁に阻まれ、英語圏への脱出を計画。ところがその矢先、腹ぺこで歩いていた私に「ヴォワラ、マドモアゼル」と林檎を差し出してくれたおじさん。レストランに仕入れる林檎が1個足りなくなってもいいのかしらと心配しつつも感動!もしかしたらフランス人ってすっごく優しいかも?脱出計画は一挙に吹っ飛び、フランス定住を即決める。住んでみたら奥が深いフランス生活。1年が2年になり、、、あっという間に13年。住めば都のフランスはパリで、納豆と豆腐を食べ、中華街でベトナム麺をすすり、日曜日はマルシェで季節の野菜と魚を買い、時に日本のカボチャを育て、楽しく過ごしております。

 
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