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ニュース・コラム

山田マミのやっぱり、パリが好き

山田マミのやっぱり、パリが好き

フランス・パリ在住の山田マミさんが、現地発信の最新ダンス情報をタイムリーにリポート!
ダンスだけでなく、ワイン、フェスティバル、市場などなど、パリっ子たちの日常生活も、
山田マミさんによる独自の視点でお伝えします。動画によるダンス映像の配信も見所です!

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5月なのに寒い!山では雪?!

5月1日はメーデーで祝日。働く人たちが権利を訴えてデモ行進するので、そこでスズランを売ってお小遣い稼ぎをしたかったのに、寒い日が続いてスズランが三部咲き。

それでも売れるけれど、天気も悪かったのであきらめた。
5月だというのに寒い日が続いている。サクラもまだ咲いてる。確か東京では3月末にサクラが散ったと聞いたけど・・・

例年より1ヶ月も遅い開花。あ~あ、いつになったら暖かくなるのかしら。薄手のコートが必要で、空もどんより。

マシフ中央高原(フランス中央部)に行ったら雪が積もってた。マジ?

思わず雪だるま作っちゃいました。

寒いし天気は悪くて雨ばかり降っているから、畑の野菜は期待薄。ラディッシュは育たない上にナメクジとカタツムリ攻撃にあって、穴だらけ。

そっちが食べるのなら、こっちが食べちゃうぞ!とカタツムリを捕獲して、エスカルゴ料理。

カタツムリというと気持ち悪いけど、エスカルゴというとおいしくなるのがフランス料理。しかも養殖ではなくて、うちの無農薬野菜で育ったのだから味は良いはず。自分で料理するのはギョエって感じだけれど、良質プロテインの塊だ!と信じて食卓に。

フレンチレストランでエスカルゴが高いのは、調理に手間がかかるからなんですよ。
高級前菜が、自宅ではタダ!というのも優越感に浸れる・・・というのは私だけ?

それでも晴れた日を見つけて山歩きに出かけた。
こういう景色を見ると、フランスって広いなあとつくづく思う。気持ちがいい。パリでのストレスが一気に飛んでいく。

羊は毛を刈られてちょっと寒そうだけれど、おいしそうに草を食んでいる。日本ではこんな光景を見た記憶がない。日本に羊はいるのかな?いると思うけれど小屋の中でぎゅうぎゅう詰めの生活をしているのかな?

森の中に突然現れた奇岩。
自然にできた洞窟に1920年くらいまで人が住んでいたそうだ。今は倒壊の危険があるので中に入れないけれど、のぞくと台所や神棚(マリア像を飾る場所)の形跡がある。
昔の人の生活を想像しながら丘を下りて振り向けば、

こんな景観。このごつごつした岩が家ですわ。建設費タダだけれど、冬は相当寒かったんじゃないかな。

帰り道は菜の花畑を通って。きれいだけど、菜の花ってあんまり良い匂いがしないんですよ。遠くから「黄色の絨毯きれいだな」と言っているのが一番。

フランスも5月はゴールデンウイーク~♫

フランスのカレンダーって超見にくくて、1ヶ月が縦長につながっているんです。ところが、フランス人に日本でよく見る四つ球カレンダーを見せたら「見にくい」と言われてしまった。これって慣れの問題なのか・・・。
フランスは日本に比べて祝日が少ないのだけれど、5月は4日もある!5月1日がメーデー、8日が第二次世界大戦勝利記念日(日本の終戦記念日は8月15日なのに・・・。この時差はなぜ?)で、この二つの祝日は毎年変わらないけれど、そこにキリスト教に基づく祝日のアソンシオンとパントルコットが入る。これは月の満ち欠けで決まるので、今年は9日と20日が祝日なので、日曜日を入れると休みが8日もあるし、うまく組み合わせればゴールデンウイークになる。
あ、5月1日はほとんどの商店や美術館が閉まるので、この時期に旅行する人は気をつけてくださいね。
ところでこのカレンダー、曜日の後に名前が並んでいます。これはフランス人の名前がキリスト教に由来していることが起源で、その日がお友達の名前なら、「ボン・フェット1!」と言ってお祝いします。でもだからといってプレゼントをあげる必要はありませんけど。

まだやってるオペラ座の衣装展

オペラ座ガルニエに行ったら、開演前か休憩中にホールを散策する事を勧めます。今やっているのが衣装展。

セルジュ・リファー、1947年のミラージュの衣装

パトリス・バートのドガの踊り子たち

ニコラ・ル・リッシュ振付の「カリギュラ」

マリー・アニエス・ジロ振付「Une Guêpe dans Sous Apparence」

トリシャ・ブラウンの「O’Composite」

クリスチャン・ラクロワの衣装は、金網の中。きっちりガードされている。
ジョージ・バランシン振付の「Joyaux」

山田マミ プロフィール

幼少よりダンスを始め、80年代はアメリカに没頭するが、今は亡きダンス・ア・エックスでローザスの「オットーネ・オットーネ」を観て、ヨーロッパの歴史の深さに圧倒され、フランスに移住。しかし、言葉の壁に阻まれ、英語圏への脱出を計画。ところがその矢先、腹ぺこで歩いていた私に「ヴォワラ、マドモアゼル」と林檎を差し出してくれたおじさん。レストランに仕入れる林檎が1個足りなくなってもいいのかしらと心配しつつも感動!もしかしたらフランス人ってすっごく優しいかも?脱出計画は一挙に吹っ飛び、フランス定住を即決める。住んでみたら奥が深いフランス生活。1年が2年になり、、、あっという間に13年。住めば都のフランスはパリで、納豆と豆腐を食べ、中華街でベトナム麺をすすり、日曜日はマルシェで季節の野菜と魚を買い、時に日本のカボチャを育て、楽しく過ごしております。

 
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