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ニュース・コラム

山田マミのやっぱり、パリが好き

山田マミのやっぱり、パリが好き

フランス・パリ在住の山田マミさんが、現地発信の最新ダンス情報をタイムリーにリポート!
ダンスだけでなく、ワイン、フェスティバル、市場などなど、パリっ子たちの日常生活も、
山田マミさんによる独自の視点でお伝えします。動画によるダンス映像の配信も見所です!

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パリのあれこれ5月だよ~ん

一時帰国してパリに戻って驚いた。日本は真夏日だったのに、パリは10度しかない。これじゃ冬に逆戻りで、セーターを引っ張り出し、暖房をつけた。
どんより雲のパリだけれど、やっぱりパリはいいなあ。

ここ数日天気はコロコロ代わる。朝は青空だったのに、昼近くになって怪しい黒雲が現れ、いきなりピカッ、ゴロゴロ、パシパシ!おおお?と外を見れば直径5ミリほどの雹が降ってる!ほんの数分の出来事だったけれど、5月に雹とは…

ある日家に帰ってみると、ドアノブに茶色い箱がぶら下がっている。コンポスト用のゴミ箱の配給だった。パリ市もようやく生ゴミ用コンポストを始めるのだ。専用ゴミ袋2個付きとはありがたい。
フランスでは自治体によってゴミの収集方法が違う。

真ん中の緑の蓋が一般ゴミ用、黄色い蓋がリサイクル用、そして左の茶色の蓋が新登場のコンポスト用のゴミ箱。
リサイクル用は、分類せずに全部この黄色いゴミ箱へむき出しのまま捨てる。それを収集車が一気に回収。収集車の中でぐちゃぐちゃになったゴミを、処理場で分別する作業は大変なものだろうなあ。本当にリサイクルされてるのかなと疑いたくなる。フランス人はワインの瓶以外のリサイクル意識が低いから、東京都のごみの出し方を見たら驚くだろうなあ。ペットボトルをさっとゆすいで、張り紙剥がしてフタ取り外してって、フランス人には無理

上に丸い穴が空いているのは、ガラスのボトル用。
集合住宅にはこのようなゴミ箱が配られて、住民はいつでもゴミを捨てられる。管理人はゴミ収集日にそれを道路に出しておくと、回収車が来て収集する仕組み。一軒家でもこのタイプのごみ箱が配られるから、いつでもゴミを捨てられるけれど、場所を取るし、ハエもたかる。でも日本ほどハエがたからないのは、乾燥しているからかな。日本でこれを実施した町では、夏は大変なことになっていた。臭いし、ハエがブンブン。
「日本の商品は、一つ一つ丁寧に包装してあって綺麗だけれど、これじゃあゴミが出るわけで、君たちはちっとも環境のことを考えていないね」とツレの一言。確かにそうかも。でも美しい包装は日本の文化の一つだよ。

この先どうなる、フランス

予想通り、ではあったけれど、フランスに39歳の大統領が誕生した。エマニュエル・マクロン。フランスの伝統的労働法をごっそり変え、オランド元大統領に可愛がられたにもかかわらず、社会党在籍のまま右でも左でもない超党派を立ち上げて、大統領に立候補した怖いもの知らず。典型的なエリート官僚コースを歩み、金持ち財団ロスチャイルド銀行の副社長にまでなり、当時の年収は200万ユーロという噂。1ユーロ130円とすると2億6千万円!まじ?その後社会党に入って頭角を現し、最年少ながら社会党の中枢を務めた。右でも左でもない政府を目指すというけれど、金持ちで体力がある人には、年寄りの貧乏人の心などわかりっこないんじゃないかと心配。
組閣も左派右派ごちゃまぜの超党派内閣。

しがらみにとらわれない政治改革が起こるのか、と期待半分不安半分。

大統領就任のお披露目パレードも、異例の軍事用の車でシャンゼリゼを行進。

三面記事として話題になっているのがご婦人のこと。なんと24歳年上なのだ。17歳のマクロンと出会ったのが41歳の時。すでに結婚して3人の子供がいたけれど、教師と生徒の恋は燃え上がる一方。もうどうすることもできない運命の出会いは離婚するしかなく、マクロン氏とめでたく家庭を築いたという。今でもアツアツの仲のご様子。女性関係と政治を結び付けないフランス人。 サルコジ前大統領は、大統領就任直後に離婚して、カーラ・ブルーニとスピード結婚したし、オランド前大統領も大統領選挙直前に4人の子供をもうけていたロワイヤル氏と別れ、大統領就任中に彼女を2回変えたしなあ。恋なくてしては政治は成り立たずってところですかね。 日本とは随分違う。

メトロ構内の広告が面白い

メトロの通路にドドーンと錦織選手。某アパレル企業の大々的な広告。頑張れ、錦織!でも確か、ジョコビッチも応援してたよね。

あら、ブリヂストン美術館の所蔵品が来てる。東京は人気の的だから。。。

「良いラマダンを!」日中絶食した後は、これを食べて元気になろう!ということみたいです。昔はこんな広告を見かけなかったような気もする。

パリは歩くと面白い

パリのパッサージュ。アーケードになっているから、雨の日でもお店の外で食事ができる。好きだな~この雰囲気。こんなのがあちこちにあるから、パリはやっぱり歩くべき。

でかい!しかも生きてる
クリスマスでもないのに、こんな見事なオマール海老がハイパースーパーで売られていた。高いから諦めたけれど、どうしても食べたくなって数日後に行ったらもういなかった。これも出会いだったのね。

夜の美術館がタダ!

タダという言葉がフランス人は大好き!今日は美術館開放日。うふふ、タダで美術館に入れる。毎年5月の第3土曜日には多くの美術館に無料で入れるという貧乏人には嬉しいイベント。貧乏人じゃなくても、世界各地からこの日をめがけてパリにやってくる人は多いとか。夕方から夜中までというパターンなので、「美術館の夜」なわけ。これに参加する美術館が去年より減ったような気もしたけれど、まあとにかく行ってみよう。さて、どこにするか。並ぶのは嫌だから、少しマイナーなところに焦点を絞って、12区の移民博物館へ。私だって移民だ。まあ、自分の意思で移住した贅沢者だけれど。

この入り口には圧倒される。マイナーな美術館とレッテルを貼られているけれど、とんでもない、昔はアジア・オセアニア博物館として、貴重な品々が展示されていたのだ。

ざわつく方を見れば、馬だ!芸を披露していたらしい。ヴァンセンヌの森というロケーションにはお似合いの光景。
この日は様々なイベントが用意されていて、小学生やプロの劇団のパフォーマンスもあって、なかなか楽し。

これこれ、車の上にブルーのビニールシートをかぶせて走っている車を見たら、大抵はアラブか東欧諸国からの移民と思っていい。これがお引越しなのだ。シートの中身はベッドや家具。よく見れば後ろに自転車も積んでる。

一番奥の部屋に置かれた自動販売機の雨でじっと立っている人、何をそんなに悩んでいるのだろうと覗き込んだら、マネキンだった、これってジョーク?

見事なモザイク模様のイベントホール。最上階の回廊から見下ろせば、近代建築の美術館では見られない内装のあまりの美しさにほーっとため息。

このホールで移民をテーマにした演劇の上演があった。動きがたくさんあって、なかなか面白い。

さてさて、この博物館のもう一つのお目当は、ワニ!地下に水族館があるのです。

太陽の光が全く入らないこの地下の、深~いところにワニは生息しているのでありました。寝ているのか、疲れているのか、じぃっと動かず、故郷に想いを馳せているのかも。

白いワニ。こちらはゆっくり動いてる。落ちたらあっという間に食べられちゃうのかも…

君のヒレはジョーゼットでできているの?ターンする時のヒレの動きの美しさに惚れ惚れ。ハナミノカサゴ君です。

潮の流れも感じられる水族館、結構はまっちゃいました。

山田マミ プロフィール

幼少よりダンスを始め、80年代はアメリカに没頭するが、今は亡きダンス・ア・エックスでローザスの「オットーネ・オットーネ」を観て、ヨーロッパの歴史の深さに圧倒され、フランスに移住。しかし、言葉の壁に阻まれ、英語圏への脱出を計画。ところがその矢先、腹ぺこで歩いていた私に「ヴォワラ、マドモアゼル」と林檎を差し出してくれたおじさん。レストランに仕入れる林檎が1個足りなくなってもいいのかしらと心配しつつも感動!もしかしたらフランス人ってすっごく優しいかも?脱出計画は一挙に吹っ飛び、フランス定住を即決める。住んでみたら奥が深いフランス生活。1年が2年になり、、、あっという間に13年。住めば都のフランスはパリで、納豆と豆腐を食べ、中華街でベトナム麺をすすり、日曜日はマルシェで季節の野菜と魚を買い、時に日本のカボチャを育て、楽しく過ごしております。

 
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