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ニュース・コラム

山田マミのやっぱり、パリが好き

山田マミのやっぱり、パリが好き

フランス・パリ在住の山田マミさんが、現地発信の最新ダンス情報をタイムリーにリポート!
ダンスだけでなく、ワイン、フェスティバル、市場などなど、パリっ子たちの日常生活も、
山田マミさんによる独自の視点でお伝えします。動画によるダンス映像の配信も見所です!

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ユゼスダンス

日も長くなって、夜は10時過ぎまで明るくなってきた。そろそろ夏の準備をしなくては。南仏のダンスフェスティバルも始まるし。

久々にユゼスダンスに行って来た
ユゼス?それどこって?
アビニヨンとニームの間、ポン・デュ・ガールの近くです。夏一番乗りのダンスフェスティバルで、今年は6月10~11日と15~17日。

城壁はないけれど、旧市街は環状道路に囲まれていて、突っ切ろうと思えば5分で町の反対側に出てしまうというほどの小さな町だけれど、人気スポットの一つで、いつも観光客で賑わっている。公爵が実際に住んでいる城があるというのもその理由の一つだし、ウゼス公爵のワイン畑で採れたワインが買えるのも魅力。パリではあまり見かけない。

旧市街は中世の街並みがとても良い状態で保存されていて綺麗だし、なぜか落ち着く。曲がりくねった小道は、どこを歩いていてもいい匂いがする。町中に香水が撒かれたみたい。

香りの元はジャスミンだった。どの家の入口にもジャスミンが植えられていて、蔦のように屋根まで伸びている。こんな大きなジャスミンの木を見たことがない。さすが南仏。

ここが町の中心地エルブ広場(Place aux Herbes)。今日は市が立っている。

南の果物は味が違うから、是非買いたい。ダンスも見たいが、美味しいものは逃さないぞ~

回廊で囲まれた広場。市場でお買い物をしたら、 回廊のカフェで一休み

ホテル滞在の観光客のランチにはもってこいのチーズ。これをパンに挟んだら、立派なサンドイッチになる。小規模農家直送ご当地チーズはパリでは絶対に買えないからね。
ボンジョ~ルノって、イタリア直送のハムとパスタ?

この広場にウゼスダンスの事務所があります。

この階段を上ると事務所があって、そこでチケットを買います。かなり地味かも

広場に続くメインストリート、リピュブリック通りには、可愛いお店が並んでいる。ラベンダーの香りになごむ~

繁華街からちょっとはずれれば、こんな小道が。中世の趣がプンプン。

見上げれば公爵のお城 Le Duché

道に迷っても大丈夫。旗がなびいているのが公爵のお城で、どこからでも見える。まあ、迷って困るほど広い街ではないのだけれど…

これが正面入口。公爵はパリで仕事をしているので、時々しか帰ってこないそうで、不在の時に内部を見学できるらしい。入ろうと思ったら、閉城時間でアウト。

ユゼスの名所は、公爵の城、中世の庭、サン・テオドリ大聖堂くらいしかないから、前から気になっていた中世の庭へ入ることに。庭と王様の塔のセット券で6ユーロか。高いな。でもせっかくだから入ってみよう。

薬草やら何やら、とにかく庭は、あらゆる種類の草木が植えられている。花もあれば野菜もあって、小さな植物園という感じ。ゆっくり見たいけれど、暑くてダメ。32度といえど、日差しは強烈。木陰が欲しい。

籐で編んだキノコのお家が可愛い

建物の中で一休み。セット券を買っておいてよかった。涼める。

狭い螺旋階段を上って2階の歴史館へ。壁に貼られた年表を見ると、すご~く古い歴史がある街のようだ。エヴェッシェという建物は5世紀に建設が始まったらしいし、ユゼスの公爵家の先祖がこの地に落ち着いたのもこの頃らしい。王家との繋がりもあるようだ。

向こうに見えるのは、サン・テティエンヌ教会ではありません。サン・テオドリ大聖堂です。スミマセ~ン
王の塔の最上階からの眺め。気持ちいい~!しかし、上るのは大変だった。ゼーゼー

塔の内部に装飾はないけれど、一時ここは監獄としても使われていたそうで、囚人たち(?)による壁の落書きが残っている。
予想以上に見応えのある中世の庭。英語の説明がないのが残念。

環状線に出れば、車がガンガン走っているし、空き瓶回収車は、クレーンでゴミ箱を持ち上げて一気に回収。

この森の下にウールの泉があって、そこからポン・デュ・ガールを通ってニームまで水を送っていたという歴史があります。

眺めの良い高台の下にある怪しい廃墟。実はこれがフェスティバルの会場の一つラヴォワール。

外はボロボロだけれど、中も負けてはいない。積み上げられた石の壁から草がワサワサ。遮光は黒のビニール袋。簡単でよろしい。

会場の一つ、サン・テティエンヌ教会。

これが内部。外は酷暑、中はひんやり。1時間いたら冷えてお腹が痛くなってしまった。コートを着てきたおじいさんを笑えない。

Uzèsと書くけれど日本語表記は「ユゼス」。「ウ」の口の形をしたまま「ユ」と発音すると正しく発音できます。
電車でのアクセスはちょっと面倒くさいかも。パリからだと、TGVのニーム駅で下車してからバスで45分。ややこしいけれど、小さなカワイイ村をいくつかまわるので、都会を離れた実感があって楽しいという噂。他にもアビニヨンからもバスで行けるらしい。環状線内の旧市街に宿を取るならお早めに。特に夏期はあっという間に満室になります。私は旧市街から歩いて15分ほどのところのプール付きのホテルに宿泊したけれど、途中まで遊歩道があるし、全く危険を感じない街なので、ちょっと暗かったけれど、怖い思いをせずに徒歩帰宅。しかもお値段はぐっと安くなるのでお勧めです。

6月のダンスざんす

今話題の振付家ホフェッシュ・シェクターの新作「グランド・ファイナル」は、ラ・ヴィレットにて上演。

ハイレベルのダンサーの踊りと、ホフェッシュの容赦ない風刺に打ちのめされた。

強烈パンチを食らって、フラフラになりながら帰路につきました。

ラ・ヴィレットも明日を夢見るダンサーたちの溜まり場になっていました。

Tokyoダンス
パリの日本文化会館で川口隆夫さん、森下真樹さん、川村美紀子さんのソワレがありました。三人三様の個性あふれる作品に、パリジャンは大満足。公演後のカクテルの盛り上がること!

川口さんの横にいるのはファビアンさん。川口さんの「大野一雄について」をベルギーで見て感動。夢のご対面となったのでありました。

森下真樹さんとフランス在住ダンサー間宮千晴さんは、長年の友達なのでした。

川村さんは、日本でも展示会をしているジャン・クチュリエさんと何やら真剣にお話ししている模様。
素敵な一夜をありがとう。

その1週間後、再びパリ日本文化会館にて、小林賢太郎さんの公演「ポツネン氏の奇妙で平凡な日々」にお邪魔しました。

これまた超盛り上がりで、会場は観客の笑い声が始終飛び交っていました。小林さんの後ろにいるのが黒子の南大介さん。黒子といえども大活躍。

パリのシャイヨー宮劇場でのネザーランド・ダンスシアターNDT1の公演のカーテンコール。

左から2番目が鳴海令那さん。ダイナミックな踊りを見せてくれて、カーテンコールで「こんなに小さかったの~?(失礼)」とびっくり。

山田マミ プロフィール

幼少よりダンスを始め、80年代はアメリカに没頭するが、今は亡きダンス・ア・エックスでローザスの「オットーネ・オットーネ」を観て、ヨーロッパの歴史の深さに圧倒され、フランスに移住。しかし、言葉の壁に阻まれ、英語圏への脱出を計画。ところがその矢先、腹ぺこで歩いていた私に「ヴォワラ、マドモアゼル」と林檎を差し出してくれたおじさん。レストランに仕入れる林檎が1個足りなくなってもいいのかしらと心配しつつも感動!もしかしたらフランス人ってすっごく優しいかも?脱出計画は一挙に吹っ飛び、フランス定住を即決める。住んでみたら奥が深いフランス生活。1年が2年になり、、、あっという間に13年。住めば都のフランスはパリで、納豆と豆腐を食べ、中華街でベトナム麺をすすり、日曜日はマルシェで季節の野菜と魚を買い、時に日本のカボチャを育て、楽しく過ごしております。

 
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