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ダンサーズクエスチョン4th

今回のゲスト
佐々木和葉さん

日原永美子

日原永美子

紹介者
日原永美子さん

平原慎太郎

紹介者

私が今回紹介するダンサーは「佐々木和葉」さんです。
和葉と知り合ったのは、彼女は団員になり立てで、私が準団として入団して、少し経ってからのことだったと思います。クラスも違ったため、しばらくはなかなか話すチャンスもなく、新体操の選手並に高く上がる脚を見て、さらに近寄り難く思っていました。私のことを、入団前にDUOの発表会で踊る姿などを見て知っていてくれ、和葉の方から声をかけてくれて、知り合いました。同い年だということもあり、それから仲良くなるのはあっという間だったと記憶しています。今から12年前の話になります…今ではバレエ団の同僚というより、お互いアドバイザー的な存在で、何をするにも一番厳しい監督です(笑)

 

ゲスト

はじめまして、佐々木和葉です。
谷桃子バレエ団育ちで、入団から12年半、主役を踊らせていただくようになってから9年近く経ちます。
「ジゼル」や「ラ・バヤデール」のようなドラマティックな作品が好きです。また近年は、クラシックのような型に囚われない、コンテンポラリー作品にも魅力を感じています。バレエ団レパートリーである、クルベリ版のモダンな「ロメオとジュリエット」のジュリエットも、大好きな役の一つです。

 

ビデオくん

佐々木和葉さんのダンスを紹介します。
「眠れる森の美女」第三幕よりグラン・パ・ド・ドゥ よりと日原永美子さん振付の「オディールの涙」よりの2つです。

日原永美子さん。あなたが思う、佐々木和葉さんのスゴイところは何ですか?

 

紹介者

そうですね。痩せていて、か弱そうにも見えるのですが、本当はかなり鍛えていて隠れマッチョなところ。どこかしらが具合悪いと本人はよく言っているのですが、それでも、お休みなど滅多にしないとても粘り強い体質なところでしょうか。

 

ゲスト

ありがとう!
日原永美子さんは男勝りの身体の持ち主で、振付する時、男性の振り(技)も全部やって見せられるところがすごいです。
熱しやすく猪突猛進型で、時々のめり込み過ぎてダウンしてしまうのは心配しています。が、良い意味で後ろは振り返らずに突き進み、どんな悪条件もアドバンテージに変化させてしまう才能は素晴らしいと思います。

この動画の1つ目の「眠れる森の美女」は2006年7月、ジョイ・バレエ OPEN SPACE 15周年記念発表会「眠れる森の美女」ハイライト全幕にて踊ったもので、2つ目は2010年5月、BALLET×DANCE Comparison the 2nd performance にて踊ったものです。

 
 

○日原永美子さんから佐々木和葉さんへのプライベートクエスチョン

紹介者

前に写メで、自宅で着ているパジャマの写真を見たことありますが、ああいう可愛いヤツは何枚くらい持ってるんですか?

 

ゲスト

アレは随分前に、たまたま母が見つけて買ってきてくれた、実はJr.の160cm用のパジャマでした!真面目一徹な母にこんなお茶目なセンスも存在したのか?!と、ひそかに感動したものです。
でも、アレ以外はごくシンプルなヤツしか持ってませんよ(笑)

 
 

ビデオくんからゲストへの5つの質問

思い出の一曲とそれにまつわるエピソードを教えてください。

“思い出”とは少々違うかも知れませんが、私のプリマデビュー作品でもある「白鳥の湖」の、序曲です。やはり古典バレエの王道なだけあり、序曲が始まっただけでいつも、荘厳な雰囲気と身の引き締まる緊張感を感じます。例えば「ドン・キホーテ」序曲の暢気な感じとはまるで違って…。
今年5月に踊った、オディールに主軸をおいたコンテンポラリー版の白鳥の湖「オディールの涙」(日原永美子振付)では、幕開きにオディールが一人、その序曲で踊り始めるんです。途中の曲調が激しくなるところではロットバルトと親子二人のアグレッシブな舞いになったりして…。それからというもの、クラシックのリハーサル等で荘厳な曲が鳴り始めても、頭も身体も「オディールの涙」の振付で反応してしまうようになってしまいました(笑)

あなたが今までで最も影響を受けたダンサーは誰ですか?
また、その人からどんなことを教わりましたか?

やはり谷桃子先生です。現役時代の舞台は、残念ながら拝見したことはないのですが、稽古場で見せて下さる表情や動きがもう本当に素晴らしくて!
生徒の頃は、谷先生のクラスレッスンを受けたり、つきっきりで発表会のリハーサルをしていただいたりという貴重な体験もできました。全身がオーラや言葉を発してらして、澄み切った美しい瞳や御顔の表情が、それぞれの役柄に一瞬にして変わられるんです。例えそれがロットバルトであってもです!
先生からは沢山のことを教えていただきましたが、中でも「決して形だけにならずに心の中から、そして全身いっぱいに伸びやか動くこと」は常に言われ続けており、いつも心に留めて踊るようにしています。

憧れのバレリーナ、という事では、子供の頃はノエラ・ポントワさんやモニク・ルディエールさんが好きでした。

今までのダンス人生の中で一番辛かった・挫折した出来事はありますか?
あるなら、そこからどうやって復活したかも教えてください。

元々身体がすごく柔らかく、関節も可動域が広かったのですが、それが原因で3年前に股関節を傷めてしまい、そのまま無理を重ねていった結果、歩くのにも支障がある程になってしまいました。しかし、舞台には穴を開けず、シーズン最後の大舞台終了後に、キャリアの中で初めて一ヶ月の休養期間を取りました。それは私にとってとても辛く悲しい時間でした。最近でこそ普通に動けるようになりましたが、その間、股関節が悪いのをあまり他者には見せずに、相当な痛みと動かしにくさと闘いながら踊り続けるのは辛かったです。でも、踊りに対する愛と執念の強さなのか、一度も踊りをやめようというほどの挫折感を抱いたり、向上心が無くなったりしたことはありませんでした。

初恋の思い出を語ってください。

ヒ・ミ・ツです。

最近一番感動した出来事を教えてください。

谷桃子バレエ団は、60周年記念公演シリーズとして、この2年間に6回の大きい公演をしたのですが、最終回にあたる10月の「レ・ミゼラブル」のカーテンコールで、谷先生が60周年の締めくくりに舞台上でなさったスピーチが、最近一番の感動でした。それまでしばらく御体調不良であまり頻繁にはお会いできなかった位だったのに、舞台に立たれたばかりか、本当に素晴らしいスピーチをされ、私自身すぐそばで舞台に立ちながら拝聴していて、涙をこらえるのに必死でした。

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プロフィール

佐々木和葉
大塚礼子、尾本安代、深川秀夫のもとでバレエを始める。
谷桃子バレエ団研究所を経て、1998年に谷桃子バレエ団に入団。
2001年、第58回全国舞踊コンクール、バレエ・パ・ド・ドゥ部第1位、文部科学大臣奨励賞、東京都知事賞、日本バレエ協会賞、特別賞バレエ奨励賞を受賞。
同年、K‐Ballet Company「ジゼル」全国ツアーにドゥ・ウィリー役で参加する。
2002年、谷桃子バレエ団新春公演「白鳥の湖」にてプリマデビュー。
以降、同団公演に於いて、「白鳥の湖」「ラ・バヤデール」「くるみわり人形」「シンデレラ」「ジゼル」「ロメオとジュリエット」などの全幕作品や、「ライモンダ第3幕」「眠れる森の美女第3幕」「ロマンティック組曲」他に主演する。
その間、バレエ・コレクションin OSAKA スーパーガラ(2003)、Class-B Ballet Performance Tour 2005「DEBUT」、早川惠美子・博子バレエスタジオ公演(2005~2007)、ドリーム・オブ・ダンサーズⅦ(2009) 他に客演している。