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ニュース・コラム

山田マミのやっぱり、パリが好き

山田マミのやっぱり、パリが好き

フランス・パリ在住の山田マミさんが、現地発信の最新ダンス情報をタイムリーにリポート!
ダンスだけでなく、ワイン、フェスティバル、市場などなど、パリっ子たちの日常生活も、
山田マミさんによる独自の視点でお伝えします。動画によるダンス映像の配信も見所です!

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6月6日 ルーブル美術館を訪ねる

6月なのに薄ら寒い。気持ちは夏なのに。なんか日本の肌寒い梅雨を思い出してしまう。気分転換に、ルーブル美術館に行ってみました。
ルーブル美術館は今のところ、水曜日と金曜日が夜9時45分まで開いているので、夕方、夕食の時間を狙って行きました。それでもこの人の列。

これはガラスのピラミッドの入り口で、入ってすぐに荷物検査があるので列ができてしまうのだ。

ルーブル美術館はとにかく広い。荷物検査を通ってエスカレーターを降りて、自動販売機で頭をこじらせながら入場券を買って、ふと見れば入り口が3カ所もある。どうすりゃ良いんだ?なにしろ館内の情報ゼロで来ているから、何から見てよいのかさっぱりわからん。人混みが嫌いなので一番空いていそうな所から入った。

あ、なぜかいつも同じ入り口から入るみたい。今回もまた美術館の根元を最初に見ることになった。

でもね、私結構ここが好きなのですよ、中世に紛れ込んだみたいで。美術館の華やかさをじっと支えている床下の石達。そしてルーブル宮を作った人達の思いが込められているみたいで。人も少ないので、タイムスリップしたようなひとときを静かに過ごせるのです。

いつまでも地下で思いにふけっているわけにもいかないので、移動しました。
あら、ここはギリシャ・ローマ時代かな?ガイドブックも案内板も見ずにふらふら歩いているので、自分がどこにいるのかわからん。でもね、美術館ってこれで良いのではないかと思うのですよ。ふらりと歩いて出会った作品を見て、もしかしたら新たな発見があるかもしれないでしょ。観光ガイドツアーは1時間で見学をするというけれど、走るようにして見学している。有名作品を見たい気持ちはわかるけれど、別の見方もあるんじゃないかな?作品だけじゃなくて、それが展示されている部屋の雰囲気とか、それを囲む空間とか。

いきなり飛び込んだ「日本テレビ」の文字。ギリシャ・ヘレニズムの展示室は日本テレビのメセナのおかげで新装しました。NTVに感謝しますとの説明。良いですねえ、こういうの。日本テレビも良いことをしたし、ルーブル美術館もちゃんとそれを表示してくれている。

おお!いましたね、ミロのヴィーナスさんが。人だかりがしている所には必ず有名作品がある。

有名作品も良いけれど、見上げれば天井も素敵!

これまたふらりと出会った作品。マグダラのマリア像。オーディオガイドでも説明してくれる価値のある像なのに、ここには誰もいない・・・。まあそのおかげでゆっくりと鑑賞できました。

その横の窓から中庭を見たら工事中。ルーブルは広いのでいつもどこかで工事している。緑と白のコンテナの向こうに3頭の馬が見えますか?これも有名な作品らしい。説明が載ってました。

この天井の高さ、建物の中に中庭があるなんて!スケールのでかさに唖然。嵐が来てもこの中庭で愛を語れる・・・それとも悪い相談?

こんな厚くてどっしりとしたドア。職人の手作業が間近に見れます。これだって立派な作品だと思う。

階段の装飾もお見事。こんな家に住んでみたいけれど、掃除が大変だろうなあ・・・。

調度品の数々。こんな物を使っていた人がいたのか、と思うとうらやましい。あ?教会にあった物かな?とすると、一般から取り立てた税で作った物???民衆の血と汗と涙の結晶がこの贅沢品だとすると、なんか悲しくなってしまう。

さて、絵画の部屋。あら、ここは改修して壁がきれいになっている。きれいだけれど、趣がないなあ。

さっと差し込んできた夕日の美しさに、絵を鑑賞していた人も窓辺に流れていく。絵になる風景にホッと一息。これがパリで見られるのだから、やっぱりパリが好きになってしまう。
ガラスのピラミッドの広場には、まだまだたくさんの人がいる。ただ今、夜の8時過ぎ。夏時間のおかげもあって日が長いというのは本当に気持ちがいい!

こんな大きな絵をどうやって書くのだろう?画家も体力勝負だな。

あっという間に3時間が過ぎて、そろそろ閉館の時間。暗くなる前に帰ろうっと。階段を下りながらふと上を見上げるとこの装飾。

ほーっと見とれてため息が出る。皆さん、モナリザを見るのも良いけれど、もう少し首をあげて天井の装飾も見てくださいね。ルーブルって本当に素晴らしい。今日は3時間で半分も見られなかった。全部を見ようと思ったら3日はかかると思う。元気のある時にまたゆっくり来よう!

山田マミ プロフィール

幼少よりダンスを始め、80年代はアメリカに没頭するが、今は亡きダンス・ア・エックスでローザスの「オットーネ・オットーネ」を観て、ヨーロッパの歴史の深さに圧倒され、フランスに移住。しかし、言葉の壁に阻まれ、英語圏への脱出を計画。ところがその矢先、腹ぺこで歩いていた私に「ヴォワラ、マドモアゼル」と林檎を差し出してくれたおじさん。レストランに仕入れる林檎が1個足りなくなってもいいのかしらと心配しつつも感動!もしかしたらフランス人ってすっごく優しいかも?脱出計画は一挙に吹っ飛び、フランス定住を即決める。住んでみたら奥が深いフランス生活。1年が2年になり、、、あっという間に13年。住めば都のフランスはパリで、納豆と豆腐を食べ、中華街でベトナム麺をすすり、日曜日はマルシェで季節の野菜と魚を買い、時に日本のカボチャを育て、楽しく過ごしております。

 
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