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ニュース・コラム

山田マミのやっぱり、パリが好き

山田マミのやっぱり、パリが好き

フランス・パリ在住の山田マミさんが、現地発信の最新ダンス情報をタイムリーにリポート!
ダンスだけでなく、ワイン、フェスティバル、市場などなど、パリっ子たちの日常生活も、
山田マミさんによる独自の視点でお伝えします。動画によるダンス映像の配信も見所です!

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9月は新学期

日本は4月から始まりますが、フランスでは9月が新学期で、今年は9月4日から学校が始まりました。え?なんで火曜日からって?9月3日月曜日が先生の初日。つまり先生がまず学校に行って新学期の準備をして、その翌日の火曜日から生徒が登校という事なのです。パパとママ、おばあちゃんまで付き添って初登園する子供のかわいいこと!

絵に描いたような登園風景が見られましたが、子供が中学生になり高校生になれば

こんな感じになり、道端に座って煙草を吸い、おしゃべりに興じ、

さらに大学生になると、

これは大学生の新入会だと思いますが、いじめに近いビズタージュもあり、問題になっています。

陽射しが強そうに見えますが風が冷たいお昼過ぎ。広場で、公園で、若者達が騒いでいました。

四つん這いになって洗面器に顔を突っ込まされています。

落書きによるとこれはクレープ講座、小麦粉の水溶きに顔を突っ込まされていたようです。

隣の洗面器は「海のアトリエ」と書いてあるので塩水なのか、いやいや赤い色をしているので魚の肝でも混ざっているのでしょうか。とにかく気持ちの悪いものでした。

粉をかけられたり、洗面器に顔を突っ込んだ後は、噴水に一目散。寒さにもめげず、噴水がシャワー代わり。

秋といえば行楽

9月といえば行楽の秋。夏の陽射しも和らいだ事だし、山登りでもするかということになり、カンタル地方にあるピュイ・マリーに行くことにしました。

カンタル地方とはフランス中央よりほんの少し南西に下ったところで、冬の寒さは有名です。特産物はサラミとチーズ。チーズはサレール種の牛乳で作るカンタルとサレールが有名です。食事では、ゆでたジャガイモにたっぷりとチーズを混ぜたアリゴ、これにさらにベーコンを加えたトリファードが有名で、レストランで食べるとこれがてんこ盛りで出てきて、見ただけでお腹がいっぱいになってしまうという代物です。昔は冬の寒さを乗り切るためにはこのような食事が必用だったのかと想像します。今でももちろんこの地方ではポピュラーな一品ですが、これをわさわさ食べて、ついでにワインもがばがば飲んで、緑色の野菜をほとんど食べないでいると心筋梗塞の原因になるらしいので気をつけてください。

さて、山登りの日。

山の頂にうっすらと雲がかかり、まるで雲が煙草を吸っているよう。下の方では牛が草を食み、あ〜のどかだ〜♫と鼻歌を歌っているうちは良かったのですが・・・

この辺りは小高い山が多いし、どれも似通っているし、カーブの多い道を走っていると山の姿が変わるので、これからどの山に登るのか、さっぱりわからない・・・

ここは火山地帯。休火山なので今のところ安心して登れるとの説明だけれど、いつかは噴火するのだろうなあ。見るからに火山によってできた山並みが連なって、これが一斉に噴火したら、、、ヤバいですよ・・・。

  

写真で見る限りは気持ちがよいのですが、実際は、この状態。

あまりの強風に吹き飛ばされて谷に落ちそう。しかも工事のヘリが来ていてうるさいったらありゃしない。車で登れない頂上付近へは、ヘリコプターで資材を運ぶのだそうです。

両側が谷なので、落ちたら怖いな〜・・・・・

山の畝の道幅は狭くて、転んだらそのまま下まで一気に転がり落ちるのは確実!お化け屋敷とはまた別の寒さを味わえます。

ガイドしてくれた知人はどんどん降りていきます。まじでここを降りるわけ?

この道ですもの。

どうにか降りて振り向けば

この岩肌をね、降りてきたわけね、で、帰り道はまたここを登るわけ?

岩に白赤青のペンキが塗ってありますが、これは国旗ではなくて、山登りのオリエンテーリングの印。これをたどっていけば安全に山歩きができるという事ですが、ふむ、これが安全な道ですか・・・けっこう怖かったですけど。

風は強いし怖いけれど、確かに景観は素晴らしい。

これが目的のピュイ・マリーで、あとで登るそうです。

今はピュイ・マリーの横の別の頂上を目指しているのだと言われて見上げるごつごつの頂上。この岩を登るんですかぁ〜!?

眼前に広がる小道。これって簡単に落ちられますよね・・・

裏側になだらかな道があったのでどうにか頂上に達しました。

これが頂上の印で、東西南北が示してあるのだとか。

馬がここまで登って来るんですか?

奇岩・・・ですね。

この岩、いつか絶対に落ちると思う。下敷きにだけはなりたくないです。

高山植物がきれいですが、ここで有名なのはミルティーユ。

高さ20〜30センチほどの木に小さな青い実を付けます。これをジャムにしたりタルトにするとおいしいので、これを目的にやってくる人も多いですが、保護された高山植物なので採取量に限りがあるそうです。

さて、今ピュイ・マリーにアタック中。振り返ると先ほど歩いてきたルートが遠くに見えます。

ごつごつの岩肌をゼーゼー言いながら登りきった頂上。登りきればなんとやらですが、けっこうきつかったですね、はい。空気が薄いからきついのだとも言われましたが、いつかは富士山に登りたい私にとって、1800メートルごときで貧血起こしていちゃあダメなのだ。ああ、富士山は遠のいていく・・・

このピュイ・マリーは、カンタル地方で一番高い山で標高1783メートル、頂上でぐるりと回ると7つの谷が見えるのです。

あら、ここも岩がゴロゴロしてますね。

少し下ると三途の川みたいな場所がありました。石を積み上げるのは世界共通?その上に十字架まで立ってるからなんか怖いんですよね。

再度振り返ると、皆さん登ってきますね。写真左側の尖った頂上からこの畝を歩いて来たんだ、と感動!

あ、これが噂に聞いていたピュイ・マリーのシャンゼリゼ大通り。急勾配だけれど舗装がしてあって「レペットのバレリーナの靴でも登れますよ。」と言われる登山道。確かに猫もしゃくしも登ってたし、ビーチサンダルの人も杖をついた老人も見かけましたね。「この道から登ってもピュイ・マリーを登った事にはならん!通はさっきの裏道から登るんだよ!!」と友人は鼻の穴を膨らましていました。

そして大きなビニー袋は工事の資材。さっきのヘリコプターがここまで運んできたんだ。そのずっと下に見えるのが駐車場。

駐車場付近のカフェでビールを一杯。ふと下を見れば牛が。茶色いのがサレール種、白いのがシャロレーズ種で、どちらもフランスでは高級な牛です。

山田マミ プロフィール

幼少よりダンスを始め、80年代はアメリカに没頭するが、今は亡きダンス・ア・エックスでローザスの「オットーネ・オットーネ」を観て、ヨーロッパの歴史の深さに圧倒され、フランスに移住。しかし、言葉の壁に阻まれ、英語圏への脱出を計画。ところがその矢先、腹ぺこで歩いていた私に「ヴォワラ、マドモアゼル」と林檎を差し出してくれたおじさん。レストランに仕入れる林檎が1個足りなくなってもいいのかしらと心配しつつも感動!もしかしたらフランス人ってすっごく優しいかも?脱出計画は一挙に吹っ飛び、フランス定住を即決める。住んでみたら奥が深いフランス生活。1年が2年になり、、、あっという間に13年。住めば都のフランスはパリで、納豆と豆腐を食べ、中華街でベトナム麺をすすり、日曜日はマルシェで季節の野菜と魚を買い、時に日本のカボチャを育て、楽しく過ごしております。

 
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