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カバーストーリー

ダンスの世界で活躍するアーティスト達のフォト&インタビュー「Garden」をお届けします。

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金森穣 Garden vol.18

金森穣 舞踊専門家集団Noismを率いて

りゅーとぴあ新潟市民文化会館を拠点に活動するNoismは2004年に創設されて以来、高い成果をあげている。日本のみならず世界が注目する舞踊団の芸術監督は金森穣。彼は揺るぎない信念をもって、発足時から舞踊団を最も先鋭的で群を抜いて優れた表現者の集団に導いた。

学校で子供にダンスを教える難しさ

今は、ワークショップ等も行って、小さい子供さんたちも教えていらっしゃいますね。

我々のワークショップで子供向けも大人向けも一貫しているのは、踊りを教えないということなんです。やっぱり舞踊家になることには専門性があるというのが一番最初の立ち位置なので、踊りの片鱗を見せて、よかったですね、では意味がない。だから、身体感覚を目覚めさせる、相手の身体がわかる、そういうカリキュラムを組んで毎回工夫しながらやっています。
小・中学校ではダンスが必修になったので、学校の先生たちに向けてのワークショップもしました。先生たちがどういうエクササイズをすれば子供たちが舞踊を嫌がらずに受け入れられるかとか、創作舞踊の授業で生かせるシンプルなアイデアとかをお伝えすると、皆さん喜んでくれます。
これは専門的知識がないとできないことで、学校の先生たちを集めて、舞踊家が自分の振付を教えたところで、先生たちはなかなかできないんです。

 

えてして日本の舞踊教育はそういうかたちできましたから。

でも学校の保健体育の先生たちは舞踊が好きでもないし、しかも採点をしなきゃならない。
その先生方を指導する方は、「子供たちを見ればわかります」と言われるそうで、現場との乖離がある。舞踊に関しては素人である現場の先生には、別の方法論を組んで教えなきゃいけないんです。嫌々やってる先生に教えられたら、舞踊嫌いの子供になっちゃうと思う。

本当におっしゃるとおりです。ところで金森さんはどんなお子さんだったんですか。

両親とも働いていたので0歳の時から保育園に預けられて、泣いたりわがまま言ったりすることがあまりなくて、寝てばかりいたらしいです(笑)。

ヨーロッパで知った有名になることの意味



子供の頃の夢は有名になることだったそうですけど、ピンポンパン体操で有名だったお父様を見ていらしたからですか。

いや、父親が有名だからって思ったことは1回もないです。それがいやだった記憶も嬉しかった記憶もないですし。そういう意味で有名になりたいというよりも、なにかこう、ことを起こすためにはある程度のところまでいかなきゃいけないと。そのある程度というのが、子供の頃は有名になるってことだと漠然と思っていたんでしょう。

それは小学校の時ですか?

そうですね。ダンス雑誌なんか見ると美しい人たちが出ていて、この人たちが舞踊の世界を変えていっているんだな、と思っていました。
それがヨーロッパに行ったら有名無名関係なく、実力勝負で。できるかできないか、ほんとに技術的な専門的なことだったり、振付家の目を引くか引かないかだったり。いわゆる日本でいう知名度があるとか、テレビ出たことがあるとかいうのとは全然違うものでした。

 

金森さんは大変優れたダンサーでもあるわけで、金森さんのダンスを見たいっていう人も大勢います。もちろん私もその一人です。

でも身体が一つしかないから(笑)。
いや、踊りたいんですけどね、踊りたいんですけど、全部はできないですね。

そういう意味では井関佐和子さんは超・スーパー・ダンサーだから、違う感覚で活動ができるのでは。彼女とのユニットは、化学反応が起きておもしろそうですね。

unit Cyan(ユニット シアン)としてやりたかったのは金森穣としての可能性ですね。そもそもシアンは高知県立美術館に二人の作品をつくってくれないかと依頼されて。
自分自身に振り付けるっていうこと自体をやってみたかったんですけど、ずっと避けていて、Noismではそれはもうやらないことにしていたので。

もちろんご自分も毎日トレーニングを。

しています。振り付ける時も自分で身体を動かさなきゃいけないですし、自分の身体が鋭敏でないと、舞踊家の身体を見た時に何が抜けてるかっていうのがわからないですからね。
ストイックだとよく言われますけど、それが当たり前なんです。
もし当たり前だと思っていないことがあるとすれば行政とのやり取りで。
だから稽古はストレスの発散になる(笑)。無心になれますから。

Noism1『OTHERLAND』

外部振付家招聘企画第4弾
2組のゲスト振付家による新作と、芸術監督・金森穣振付レパートリーからの3作品を上演
――極めて異なる身体性と世界観をもった振付家達と共にNoismが切り拓く新たな地平『OTHERLAND』

[日時]2011年5月27日(金)19:00・28日(土)17:00・29日(日)17:00
[会場]りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館 劇場
[チケット料金]一般5,000円 学生2,500円(全席指定)

http://www.noism.jp/

 
Interview,Text : 林 愛子 Aiko Hayashi  Photo : 川島 浩之 Hiroyuki Kawashima
撮影協力 : MARUGO MARUNOUCHI